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【2026年最新】リユース市場の現状と将来性|4兆円時代の業界動向と経営戦略

監修者コメント

「リユース市場は2024年時点で3兆円規模を突破し、日本経済において欠かせない「主軸産業」へと進化しました。2026年に経営者が向き合うべきは、単なる売買の拡大ではなく、一点物の商材をいかに「標準化されたデータ」として扱い、人手不足の中でも高利益を生む仕組み化を構築できるかです。

市場の成長と環境変化を踏まえ、次世代のリユース経営には、従来と異なる視点での戦略設計が求められています。

(監修:株式会社コモンプロダクツ 取締役 中島)

リユースは「付随事業」から「経営の主軸」へ


リユース業界を象徴する、シンプルで洗練された循環型ビジネス(リコマース)のコンセプトイメージ。

リユース市場は、2030年に4兆円規模へ到達すると予測されており、2025年はその“4兆円時代を目前に控えた転換点”にあたります。

年々拡大を続ける市場環境の中で、経営者が今持つべき認識は、リユースがもはや「流行の新規事業」ではなく、企業の持続可能性と収益性を支える「経営の主軸」として位置づけるフェーズに入っている、という点にあります。

国内の一次流通(新品)市場は、人口減少や消費構造の変化を背景に、中長期的には伸び悩む傾向が続いています。一方でリユース市場は、2009年以降おおむね拡大基調を維持しており、景気変動の影響を受けにくい市場として存在感を高めてきました。

その背景には、物価高騰による生活防衛意識の定着に加え、Z世代・ミレニアル世代を中心とした「所有から利用へ」「不要になったら売る」といった行動が日常化したことがあります。さらに、政府が推進するサーキュラーエコノミー(循環経済)の考え方が浸透し、リユースが社会的にも“前向きな選択”として受け止められる環境が整いつつあります。

【出典(市場規模)】
リユース経済新聞(リユース業界の市場規模推計2025(2024年度版))

経済産業省が公表する「電子商取引に関する市場調査」でも、BtoC-EC市場全体は継続的な成長が示されており、物販領域においては中古品・リユース品の取引も重要な構成要素となっています。

こうした流れの中で、リユースは今や「賢く、合理的な消費選択」として幅広い層に受け入れられるようになりました。加えて、一次流通企業が自らリユース事業に参入し、製品のライフサイクル全体を管理する「リコマース(Re-commerce)」戦略(新品販売から回収・再販までを一貫して手がける循環型ビジネス)を採用する事例も増加しています。

【出典(EC・制度環境)】
経済産業省「令和5年度電子商取引に関する市場調査(2025年発表)」

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著者情報

現状分析:50兆円の「隠れ資産」が拓く市場ポテンシャル


リユース市場で活発に取引される商品のイメージ画像

現在のリユース市場は、顕在化している3.3兆円規模(2024年度市場規模)という数字以上に、90兆円規模とも推計される「隠れ資産(家庭内死蔵品)」という、極めて大きな供給ポテンシャルを抱えています。

日本の一般家庭に眠る不用品の総額は、国民一人あたり約71.5万円、総額で90兆円を超えると試算されています。これまで、この膨大な在庫は「売る手間」が障壁となり、市場に流通しにくい状態が続いていました。

しかし近年では、スマートフォンの普及とCtoCアプリの定着により、個人が不用品を売却する行為の心理的・物理的ハードルが大きく下がっています。さらに、対面でプロが対応する実店舗の利便性や安心感が再評価され、家庭内に眠っていた資産が急速に市場へ流出し始めています。

【出典】
メルカリ「2025年度版 かくれ資産調査」

特に近年は、インバウンド需要の回復を背景に、ブランドバッグや貴金属といった高単価商材の買取価格が上昇しています。また、トレーディングカードやアニメグッズなど、いわゆる「ホビー資産」への投資・収集熱も高まり、家庭内に眠っていたコレクション品が市場へ供給される動きが加速しています。「使わないものを売り、次に欲しいものの資金に充てる」という循環が、一部の層に限らず、全世代において生活インフラとして定着し始めているのが現状です。

経営者が注目すべきは、この「50兆円の在庫」をいかに自社のチャネルに引き込めるか、という点です。言い換えれば、競争優位の源泉は「売り場」ではなく、「仕入れ(買取)」の設計にあります。買取導線・査定プロセス・顧客体験をいかに高度化できるかが、今後のリユース経営の成否を左右します。

成長カテゴリーが示す「仕入れ戦略」の分岐点


リユース市場で成長を牽引する主要カテゴリーの仕入れ戦略を示す物流センターの様子。3本のベルトコンベアが並び、左からヴィンテージのブランドバッグや衣類、中央にリファービッシュされたスマートフォンやノートPC、右にグレーディングされたトレーディングカードやフィギュアが、それぞれ専用のケースに入れられて自動で仕分け・搬送されている。

リユース市場が拡大する中でも、すべてのカテゴリーが同じ成長曲線を描いているわけではありません。

特に近年、「ファッション」「ITデバイス」「ホビー・玩具」は、資産価値と流動性の両面で市場を牽引するカテゴリーとして存在感を高めています。

ファッション領域では、円安を背景としたインバウンド需要に加え、国内におけるヴィンテージ回帰の動きが重なり、高価格帯を中心に安定した取引が続いています。

ITデバイス分野では、スマートフォンやPCの新品価格が10万円を超える水準で定着したことで、認定中古品やリファービッシュ品への需要が拡大しています。今後も価格変動の動向次第では、リユース・リファービッシュといった選択肢がより意識されるようになると考えられます。

法令改正が迫る「本人確認」のデジタルシフト


2026年のリユース経営において、避けて通れないテーマのひとつが、法令改正を背景とした「本人確認フロー(KYC)」のデジタル化です。とりわけ、健康保険証の本人確認利用が制限されたことにより、従来のアナログ運用を前提とした買取・取引フローは、見直しを迫られています。

すでに非対面買取で先行している企業の多くは、スマートフォンでマイナンバーカードを読み取る「公的個人認証(JPKI)」を導入しています。これにより、本人確認は数秒で完結し、確認書類の管理や事務作業にかかる負担を大幅に削減することが可能になります。加えて、手続きの煩雑さによる顧客の途中離脱を防ぐことで、成約率の向上にもつながっています。

この変化は、単なる「法令への対応」にとどまるものではありません。本人確認をデジタル化することは、仕入れ(買取)のスピードと再現性を高める、重要な経営インフラの再設計です。法改正をリスクとして受け止めるのではなく、業務効率と競争力を高める「デジタル武装の好機」として捉える視点が求められています。

プラットフォームの変化と「販路の再構築」


プラットフォームの規約変化は、販路戦略そのものを再設計させる要因になっています。

2026年のリユース経営において、主要プラットフォームのルール変更を背景に、販路戦略の再構築が避けて通れないテーマとなっています。とくに、事業者利用と個人利用の線引きが明確化されたことで、これまでの販売手法を前提とした運営は難しくなり、経営者にはより戦略的な販路設計が求められています。

メルカリをはじめとするCtoCプラットフォームでは、仕入れを伴うビジネス目的の販売を法人向けの仕組みに集約する動きが進み、個人アカウントによる事業活動に対する規約運用も厳格化しています。こうした環境下では、規約を遵守したうえで、店舗・自社EC・各種モールといった複数の販路をどのように組み合わせるかが、経営上の重要な判断軸となります。

実際に成果を上げているリユース企業の多くは、特定のプラットフォームに依存せず、一点物の商品を複数チャネルへ同時に展開し、売れた瞬間に在庫を同期させる体制を構築しています。これにより販売機会を最大化すると同時に、アカウント停止や規約変更といったリスクを分散させ、安定した販売活動を実現しています。

また、プラットフォーム手数料の上昇を見据え、価格競争に陥りにくい自社ECでのファン獲得やリピーター育成を並行して進める動きも定着しつつあります。オムニチャネル戦略は、単なる販路拡大ではなく、顧客との接点を分散・最適化するための経営戦略として位置づけられています。

重要なのは、ルールの変化に怯えるのではなく、規約に準拠した「プロとしての販売体制」を前提に、複数販路を効率的に運用できる仕組みを整えることです。在庫管理や出品管理を含めた全体最適を図ることで、2026年以降も安定した収益基盤を築くことが可能になります。

経営指針:DXによる「人時生産性」の最大化


査定用タブレット、商品撮影用のカメラと三脚、生産性データが表示された大型モニターが並ぶ、リユース事業の効率化された作業現場のイメージ

2026年のリユース経営において、最大の制約条件となっているのが慢性的な人手不足です。この環境下で成長を続けるためには、DX(デジタルトランスフォーメーション)によって業務を標準化し、一人あたりが生み出す付加価値、いわゆる「人時生産性」をいかに高められるかが、経営の成否を左右します。

リユース事業は、一点ごとに状態や価値が異なる商品を扱う特性上、買取・査定・出品・在庫管理・発送といった工程が複雑になりやすく、従来は人の経験や勘に依存した労働集約型の運営が一般的でした。しかし、こうしたアナログな運用を続ける限り、人件費の増大や作業ミスの発生は避けられず、事業規模の拡大とともに経営の足かせとなります。

実際にDXを進めている企業では、過去の取引データや相場情報をもとに買取価格を即時に提示する仕組みや、撮影から出品までの工程をシステムで支援するツールを導入することで、未経験のスタッフでも一定水準のパフォーマンスを発揮できる環境を整えています。その結果、教育にかかる時間やコストを抑えながら、店舗数や取扱量を拡大することが可能になっています。

DXは単なるツール導入や業務効率化にとどまるものではありません。どこに人手が集中し、どこがボトルネックになっているのかを可視化し、データを中心に業務プロセスそのものを組み替える「構造改革」です。こうした視点でDXに取り組めるかどうかが、2026年以降のリユース経営における明暗を分ける重要な分岐点となります。

まとめ:持続可能な経営基盤の構築に向けて


2026年以降のリユース経営において、市場の成長を安定した収益へと結びつける鍵は、外部環境の変化をその都度「個別の作業」として処理するのではなく、システムによって「自動化された標準フロー」へと昇華させられるかどうかにあります。市場規模が拡大する一方で、経営の複雑性も確実に高まる中、属人的な対応には限界が見え始めています。

リユース市場はすでに数兆円規模の成熟した産業へと成長しましたが、それに伴い、法令遵守やプラットフォーム規約への適応、業務管理の高度化といった経営負荷も増大しています。こうした変化に人手と経験だけで対応し続けることは、意思決定のスピードや現場の柔軟性を損なうリスクを孕みます。これからの経営においては、「一人あたりの稼ぐ力(人時生産性)をいかに高めるか」を中心に据え、付加価値の低い事務作業や確認業務を極力排除していくことが、持続的成長の前提条件となります。

リユース特化型クラウドPOSシステムであるMOOVは、こうした経営課題に対応するための基盤として設計されています。本人確認(KYC)のデジタル完結や、多販路に分散した在庫の一元管理など、法令やプラットフォーム要件の変化に合わせた機能アップデートを継続的に提供することで、現場が常に最新かつ最適なオペレーションを維持できる環境を支えます。その結果、スタッフは確認作業や事務処理に追われることなく、査定や接客といった、本来人が担うべき付加価値の高い業務に集中できるようになります。

リユース業界の未来は、テクノロジーを単なる効率化の手段としてではなく、変化を前提とした経営インフラとして戦略的に活用できる企業によって形作られていきます。本稿で整理してきた市場動向や経営課題への対応策として、そして今後さらに拡大する市場において競争優位性を確立するためのパートナーとして、MOOVが提供する「進化し続けるインフラ」の活用を検討してみてはいかがでしょうか。

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記事監修

中島 裕介

YUSUKE NAKAJIMA

株式会社コモンプロダクツ 取締役CCO

プロフィール

1979年生まれ、埼玉県出身。
中古レコード・古着などのリユース好きが通じてPOS・中古相場データを提供する株式会社コモンプロダクツに就職。
全国のゲームショップチェーンを担当する営業マンとして活躍し、リユース市場における幅広い知識と経験を積む。2010年、ショップ事業提案を行うトレカチェーン本部を立ち上げ、その業績により、数多くの顧客から信頼を得る。以降、マーケットプレイスの立ち上げ、アプリケーション開発にも着手し、同社の経営を牽引する。
趣味はレコードDJ。音と音、人と人をつなぐがモットー。HUMAN API。

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